Vanity Fair誌の1996年4月号に載っていた記事から。
1993年7月3日の晩、ロンドンのあるレストランでの出来事。4人の男がテーブルに座っており、その中の1人がウェートレスに、自分は映画監督のスタンリー・キューブリックだが、ニューヨークのアクセントで話せるかと尋ねた。彼女がやってみせると、男は次回作に出てみないかと誘い、自宅の電話番号をおしえた。ウェートレスは不審に思ったが、一緒にいたのが英国議会の議員だったので信用した。さらに男は、隣のテーブルにニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストの文芸欄の記者がいると知ると、彼らの批評が気に入らないと文句をつけ始めた。キューブリックがマスコミの前に姿を現わすことは滅多にないため、記者達は仰天した。記者達は男に質問を浴びせかけたが、キューブリックと名乗る男はそれには答えず、後日インタビューに応じる約束をして、その場を去った。しかし記者がワーナーに問い合わせてみると、その男はキューブリックではなく、真っ赤な偽者だったことが判明したという。男と一緒にいた議員はコメントを拒絶している。手の込んだ詐欺まがいか、単なるいたずらか。真相は不明である。
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