「いとしの家政婦(NANNY DEAREST)」
ウォール街の大金持ちの弁護士が妻からの電話で、最近雇った家政婦が自分達の家庭の内情についての暴露本を書いていることを知る。慌てて家に帰り、原稿をこっそり読むと、本は自分の家庭について面白おかしく書いている。そんなものが出版されたら、自分達は破滅だ。しかも原稿はほとんど完成している。本の出版を食い止めるため、弁護士は帰ってきた家政婦に毒入り紅茶を飲まそうとする。が、彼は誤って自分でそれを飲んでしまい、昏倒する。病院で気がつくと、すでに家政婦は辞めており、置手紙によれば、本を書こうと思っていたが、普通のIQの人間には面白くなさそうなので出版はやめ、町で出会った億万長者と結婚するという。
【一口メモ】子供の養育権をめぐるアレンとミア・ファローの泥仕合のさなか、二人の家政婦だった女性が暴露本を出したことがあり、この短編はそのことをモチーフにしている。ウォール街の弁護士は「エディプス・コンプレックス」でアレンが演じた人物を思い出させる。弁護士のどじぶりはアレン映画でおなじみのパターンである。
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